おじさん心とパワースポット 辛酸なめ子

おじさん心とパワースポット 辛酸なめ子
読売新聞 2010/04/16
http://www.yomiuri.co.jp/

行くと運が良くなると言われるパワースポットがブームだ。以前は精神世界が好きなスピリチュアル系女子が聖地に押し寄せていたのだが、明治神宮清正井や神社の催しに行くと約半数が男性だったり、客層に変化の兆しが見られる。

 仏像が表紙の「50plus」(PRESIDENT2010年4月17日号別冊)に目が吸い寄せられた。「ビジネスマンを救う『宗教と寺社仏閣』大図鑑」特集で、表紙に特大ゴシックで「不安と悩みを洗い流す」と書かれている。一読すると概要的なことしか書かれていない。女性誌の場合、神社のどの場所がパワースポットが強いか親切に教えてくれる。

 女性の方がパワースポットの御利益に貪欲なようだが、男性はそこまで神仏にすがるにはプライドが邪魔をするのだろうか。

 仏像のページも男性向けと女性向けでは趣向が異なり、「CREA」の「47都道府県のパワースポット」(2010年3月号)は仏像のルックスやファッションを取り上げているが、「50plus」では「仏像の段階」と題された、如来を頂点とするヒエラルキー掲示。序列を気にする男性は、仏像の上下関係を把握しないと安心して拝めないのかもしれない。「10大新宗教」のページでは、各宗教の組織力や経済力がカタログ的に紹介されていて、大きな組織に所属することで安心を得られる男性の性質が窺える。

 男性は目にも見えない世界よりも、わかりやすい序列や成果を重視するようだ。

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 >男性は目にも見えない世界よりも、わかりやすい序列や成果を重視するようだ。
神官・僧侶などは男性が多いのは、職というだけではなく、より目に見えない世界を深く求めていて、浅いナビ?は不要なのではないかとも思います。