聖人への道の険しさ

聖人への道の険しさ
産経新聞 2010/03/21
http://sankei.jp.msn.com/

ヨハネ・パウロ2世は、死後ただちに、あらゆる方面から「すぐに聖人に」という声が上がったほど近年まれなる偉大な法王だった。だが、偉大な法王であっても一足飛びに聖人にはなれない。

 ごく簡単に言えば、専門の機関が聖人の資格審査を始めると「神の僕」と呼ばれ「尊者」への宣言を受ける。続いて承認になる前の段階の「福者」になる審査を受ける。だが、この審査は最低一つの奇跡を起こしたか否かを含む厳しいもので、今でこそ非常に簡素化されたが、昔は数百年を要することも珍しくなかった。

 前法王が起こした奇跡とは、2005年6月2日夜、パーキンソン病を患っていたフランス人修道女が前法王の夢を見たところ、一夜にしてパーキンソン病が治ってしまったというもの。

しかし、このほど科学審査を行った医師団の一人が修道女の病名に疑義を示したから大変。今年の10月か11月に予定されていた福者を祝う「列福式」が大幅に遅れる恐れが出てきた。現クラコビア大司教は「前法王に関する奇跡として実に251件もの事例が提出されたから、別のものを選ぶにしても問題はない」としている。

日本では、奇跡的貢献(科学的証明はともあれ)があった人は、日本的な神になってきました。
天満宮明治神宮日光権現etc。 
カトリックでは、「奇跡一つ」の認定は、上記の科学審査を行ってからとなるそうです。