中国、パンチェン・ラマを要職抜擢公認11世の正当性強調

中国、パンチェン・ラマを要職抜擢公認11世の正当性強調
産経新聞 2010/03/09
http://sankei.jp.msn.com/
中国政府が、政府公認のチベット仏教指導者パンチェン・ラマ11世を利用し、チベット自治区支配の安定化を画策している。若年にもかかわらず、パンチェン・ラマ11世を、現在開会中の中国人民政治協商会議委員などの要職に抜擢しており、ダライ・ラマ14世の後継者問題に向け、公認の正当性を宣伝している。
1989年、中国政府批判をした10世が急死。のち95年にダライ・ラマが6歳の少年を転生者として指名すると、中国政府は別の少年を11世として認証し、即位させた。中国仏教協会副会長、政協委員にも選出、今会期中には副主席に選ばれる可能性もささやかれている。
中国政府が20歳の若年指導者の地位確立を急ぐのは、求心力の向上、自治区の安定確保、何より高齢ダライ・ラマ14世の後継者問題が絡んでいると見るのが妥当。チリン主席は、ダライ・ラマ14世が指名した少年は軟禁状態とされていたが、現在一般市民として生活しており、兄弟は進学、就職していると伝え、宗教的な修練を積んでおらず、仏教指導者の資格がないことを暗に示した。