政治家(小沢一郎)の宗教発言 慎重さ必要

政治家の宗教発言 慎重さ必要
朝日新聞 2009/12/08
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先月、民主党小沢一郎幹事長が全日本仏教会会長との会談後「キリスト教イスラム教も非常に排他的だ。その点、仏教は非常に心の広い度量の大きい宗教、哲学だ」と発言した。小沢の発言に、信者らの不満はくすぶっている。キリスト教圏の報道機関は敏感に反応、欧米の通信社や主要紙が報じた。
 7日、日本キリスト教協議会日本カトリック司教協議会の代表が民主党本部を訪れた。小沢は「排他的」発言の真意について、「文明論の考え方の違い」と説明。出席者が「西洋文明が行き詰まったのはキリスト教の精神的な価値を失ったからでは」と指摘すると、「なるほど」とうなずいた。
 個人的な文明論としても、特定の宗教に「排他的」「寛容」とレッテルを張れるのか。大正大学の星川啓慈教授(宗教哲学)は「ある宗教が一貫して寛容かそうでないかという問いは無意味」と語る。政治状況などにより、他の宗教に対して排他的にも寛容にもなるからだ。
 今回の発言は、国内でキリスト教信者が多数派ではないことから、国際的な視野が欠けていた面もあるようだ。東京大学島薗進教授(宗教学)は「文明観の対立や相互不信を解きほぐすのがなかなか容易ではない時代になっている。グローバル化が進むなか、多様な文明が違いを認めつつ共生することに、政治指導者は貢献してほしい」。

全日本仏教会会長との会談後での発言だから、仏教会・界へのかなりのリップサービスでもあるのでしょうけど、レッテル貼りはやはり反発はでるでしょう。